<前ページより>
私は妻が目線を反らしながら衣服を脱ぐ姿を、ソファーから眺めていました。
全裸となった妻は髪を後ろで留め、浴室のドアを開けて少年が待つ中へと入っていきました。
私はそれを確かめてから、部屋に流れる音楽のボリュームを小さくしたのです。
時折、浴室の中から妻と少年の笑い声が微かに聞こえます。
二人だけの浴室の中で、恋人同士でもあるかの様に楽しげな声が、私の耳に入るのです。
私の先程までの優越感は、卑屈で理不尽な嫉妬心へと変わっていきます。
ベットに横になり、閉じた瞼の中で微かな二人の会話に耳立てながら、手を股間に伸ばしたのです。私の茎は既に腫れあがり、欲の出口を求めるかのように反り上がっています。
私はスラックスを下ろし、手で火照りの茎を握りしめると激しく上下に動かし始めたのです。
浴室で少年と恋人同士のように戯れる妻の姿に想いを馳せ、二十歳にも満たない彼に妻を寝取られる嫉妬と屈辱は、媚薬のように胸の鼓動を掻きむしります。
ふと我に返ると、さっきまで聞えていた浴室からの話声は途絶え、リビング内の音楽だけが漂っています。
息を殺して耳をそばだてると、時折、バスタブの湯が跳ねるような音は聞こえるのですが、先程までの会話は止んだままです。
私は慌ててスラックスを元通りにし、体を起こして浴室を見つめました。
5分程経ってからでしょうか。
浴室のドアが静かに空き、妻が顔だけを出して私に向かって何か言いたげな表情を浮かべているのです。
私は妻の傍に歩み寄りました。彼女の目は潤み、荒れた呼吸を整えながら必死に唇から言葉を出そうとしています。
「どうした?… 何かあったの?」
「ううん… そういうんじゃないの… あの…」
妻は唾を飲み込みながら言葉を続けました。
「あの… お願い… 持ってきて欲しいの… コンドーム…」
その声は、まるで今にも消え入るような、か細い震えた声でした。
「私のバックの中に入ってるから…」
「わかった…」
「ありがとう… あの… 彼がもう我慢できないって… だから…」
妻の言い訳に、私は無言で頷きました。
寝室のソファーの上に置かれた妻のバックを手に取り、中から銀色のラミネートに包まれたコンドームを取り出しました。
一つだけを切り離し、浴室のドアをノックして妻に手渡したのです。
開いたドアの隙間から浴室の奥に目をやると、少年は慌てて手で勃起した肉茎を私から隠し、目を伏せました。
彼は肩で息をし、もはや欲望を制御出来ない、切羽詰まった子供のように泣きそうな表情を浮かべています。
二人の体には、真っ白なボディソープの泡がまとわりついています。
私がそこで目にしたのは、喘ぎの声を必死に秘めながら互いの体を求めあい、欲望の極みから後戻り出来なくなった妻と少年の姿だったのです。
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