<前ページより>
沢田さん夫婦と逢う約束は、翌週の金曜日の夜に決まりました。
ホテルでお互いの夫婦を交換し、別々の部屋で愛し合うことにしました。その後は途中で部屋を訪問し合い、互いの交わりの姿を見ることにしたのです。
沢田さんから、避妊について提案されました。一回目の交わりは、相手の奥様の中に射精しない条件で、避妊具を付けないことにしたのです。
初めての相手ですが、お互いを信頼しあえると確信出来たので快く了承しました。
もちろん、私自身が貴子さんと直接交わりたい気持ちがあったことも理由です。
二回目からは、最初に放った精液が男性器の中に残ることから、妊娠のリスクを避けるために避妊具を使うことにしました。
全て沢田さんの段取りにお任せしましたが、細かな気配りなどから、相応の経験を積まれていることを思わせます。
「ねえ… あなたの貴婦人は今頃、旦那さんと二人で… 」
灯りを消した寝室の中で、傍らに寄り添う妻が、からかうように笑みを浮かべながら私の顔を覗き込みます。
妻は貴子さんと初めて合って以来、彼女の容姿をなぞらえて「貴婦人」と呼んでいるのです。
嫌みを含んでいる訳ではなく、私を彼女に寝取られることへの嫉妬の裏返しなのかも。
「ん… どうかな… もしかしたら沢田さん以外の男かも」
私はあえて自虐的な答えを妻に返しました。
「ということは… 沢田さんも他の奥さんとかな…」
わざと冗談混じりの仕返しの言葉を妻に返し、彼女の様子を伺います。
「ふーん… もしかしたらそうかもね」
妻の言葉じりには、ほんの少しだけ不満な響きが含まれていました。
沢田さん夫婦についての会話は、私と妻に明後日の約束… 夫婦を交換する日が間近に迫っていることを強く思い起こさせたのです。
仕事中もその事が気になり、妄想にふけることもありました。日常の生活が手に着かなくなる気がして、暗黙のうちに妻とはその話題を避けていたのです。
今夜、その封印を開けたのは妻でした。
私の下腹部は貴子さんの体を欲しがりながら強張りを増し、呼吸の間合いが無くなる程に息が乱れたのです。
私は布団を押しのけ、自分の下着を引き下ろして妻に腫れ上がった肉茎を晒しました。
「由香里… 舐めて… 沢田さんのだと思って舐めて…」
妻は私の衝動的な哀願を、無言のままで受け入れてくれました。
勃起に手を添え、頬摺りのように顔で触れた後、唇を肉茎の先に重ねたのです。
柔らかく、愛おしむようなその動きは、滴る先走りの粘液で糸を引きながら、ゆっくりと妻の口内の奥深くへと沈み込んでいきました。
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