私が初めて沢田貴子さん(仮名にさせて頂きます)に出会ったのは、夫婦交換の世界を知って暫らく経ってからのことでした。
妻が初めて私の目の前で抱かれた相手の男から、沢田さん夫妻を互いの夫婦交換の相手として紹介してもらったのです。
年上の女性に惹かれる私にとって、落ち着いた大人の雰囲気を漂わせる2才年上の彼女の姿は、性の対象としてだけではなく、一人の女性としても魅力を感じるものでした。
小さいながら品の良いアクセサリーのセンスや、控え目な部分と毅然とした部分を併せ持つ仕草は、男の目を引き付けるだけでなく、淫らな願望を掻き立てる雰囲気を漂わせるものでした。
夫である沢田さんは貴子さんよりも3才年下で、小さいながら商社を経営している青年実業家とでも言うべき方でした。
男性である私から見ても申し分のない容姿と社会的な地位を得ている彼に、少しだけ卑屈な感情を感じたのです。
私には、そんな沢田さんを夫に持つ貴子さんは、家庭的にも経済的にも、何不自由ない生活をおくっているように見えたのです。
何故、沢田さん夫婦は互いの夫や妻を他人へ…
貴子さんのような人が、本当に夫の見ている前で他人と…
誰でも思うであろう率直な疑問を、夫婦交換を経験した私が感じたとしても当然なことかも知れません。それが私が沢田さん夫婦と出会ったときに、一番最初に感じたことなのです。
「ねえ… 貴子さんて貴婦人みたいな感じで素敵だね… 」
初めて彼女と逢ったレストランで、妻はこっそり私に耳打ちしました。私が感じていた印象と全く同じことを妻から不意に言われたことが、高鳴る心の中を見透かされているようで焦ったのです。
「うん… そんな感じかな…」
妻の手前、それ程は貴子さんに興味を持っていない素振りをしながら、胸の鼓動を妻に察しられないように振る舞ったのです。
今なら、少しは上手に妻が嫉妬する言葉を言えるかも知れませんが、当時、夫婦交換の経験が僅かな私にはそのような余裕はなかったのです。
そのような私と貴子さんとの出会いや、その後の関係について、数回に分けて書いてみます。
<次ページへ>
>> 欲望と官能のブログをもっと見る(FC2)>> 男女の性に関するブログをもっと見る